高齢者の施設の説明11.サービス付き高齢者向け住宅16.(サ高住と認知症)とは
高齢者の施設の説明11.サービス付き高齢者向け住宅16.(サ高住と認知症)について説明させて頂きます。
高齢者施設についてというページで各高齢者住宅・施設の説明をしていますが、説明不足の点もありますので、ひとつひとつ詳細を説明したいと思います。
※高齢者施設・住宅
高齢者施設・住宅というと、多くの方が特別養護老人ホームと、有料老人ホームを思い浮かべると思います。しかし実際には、下記の表の通り多くの種類があります。今回はその中でもご存じない方も多いと思います『サービス付き高齢者向け住宅16.(サ高住と認知症)』について詳しく説明します。
介護保険3施設 | 公的な低額施設・住宅 | 民間運営施設 |
①特別養護老人ホーム | ④養護老人ホーム | ⑨グループホーム |
②介護老人保健施設 | ⑤軽費老人ホーム(A型・B型) | ⑩有料老人ホーム |
③介護療養型医療施設 | ⑥都市型軽費老人ホーム | ※⑪サービス付き高齢者向け住宅 |
⑦ケアハウス | ||
⑧シルバーハウジング | ||
サービス付き高齢者向け住宅16.(サ高住と認知症)の説明
※概要
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の(サ高住と認知症)についてまとめました。
<はじめに>
認知症の簡単な説明と、認知症とサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の関係について説明しています。
⑪退去要因にて、重度の認知症症により、夜間の徘徊や暴言、暴力行為等ににより退去要因となる可能性があると説明しました。
そこで、症とサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)と認知症についてもう少し詳しく説明したいと思います。
まずはじめに、認知症の説明から始めたいと思います。
<認知症とは>
高齢者の認知症とは、脳や体の病気、外傷などにより、脳の細胞が壊死、あるいは組織が変性して、一度獲得した知能が継続的に低下し、生活に支障がある状態をいいます。
原因は、①アルツハイマー病、②脳血管障害、③レビー小体病の3つが大きな割合を占めています。高齢期では誰にでも起こる可能性があります。
<認知症の主な症状>
認知症の症状は、大きくわけると「中核症状」と「行動・心理症状(BPSD)」の2つに分けられます。
※中核症状
病気等により脳の細胞が壊れ、その細胞が担っていた機能が失われたために生じる症状
・記憶障害、ちょっと前のことが思い出せない/覚えたはずのことを忘れる
・見当障害、時間・季節・場所のの感覚がわからない/道順などがわからない
・理解・判断力障害、考えるスピードが遅くなる
・実行機能障害、家電や自販機が使えない
※行動・心理症状(BPSD)
「中核症状」により生活上の困難にうまく適応できない場合に、本人の性格、環境、身体状況が加わって起こる症状です。
徘徊、昼夜逆転、不眠、独語、不潔行為、拒食、幻覚、興奮、せん妄、抑うつ等。
<サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)と認知症>
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)で退去の要因になる場合については、上記の※中核症状と※行動・心理症状(BPSD)に分けられます。
※中核症状
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の作りとして、共用の玄関部分に四桁の暗証番号入力が必要な設計の場合、記憶障害により暗証番号の解除ができなくなる可能性があります。
そうしますと日常生活が困難となりますので、退去要因となります。
※行動・心理症状(BPSD)
こちらが退去要因となるケースが多いです。
高齢者の夜間の徘徊や暴言、暴力行為等は、集団生活を行なう上で大きな弊害になる可能性がありますので、退去要因となります。
しかし、必ず上記のような症状が出たら退去しなければならないというわけではありません。
行動・心理症状というのは、多少の物忘れなどのために、他者からの避難したり大きな失敗をして、ノイローゼ的な状況になった結果と言えます。
これらは、周囲の環境、医療的治療が適切であれば、症状の改善が図られます。
よって、サービス付き高齢者向け住宅の対応によっては、行動・心理症状が出たとしても適切なサポートによってずっと生活することが可能な場合もあります。
<認知症に関するサ高住の取り組み>
・サービス付き高齢者向け住宅の他に、グループホームを運営している場合は、そちらに優先的に入れるようにする。
・夜間の徘徊などを行なう人がいる場合は、玄関や窓などの施錠を強化する。
・外出は付き添い者を必須とする。
・外出時にGPS機能をもった装置を持ってもらい、帰ってこない場合は迎えに行く。
・認知症の行動・心理症状が出ても、薬の処方と献身的な介護により症状が収まるのを待つ。
認知症のケアについては、運営会社の方針は様々です。高齢者で認知症にならないという保証はありませんので、入居を考える際はしっかりと方針を聞いておきましょう。